こんにちは。刺身が苦手なふるまいです。
北海道出身なのに、刺身が苦手で、そのくせ東京で海鮮丼を食べるなどという本物の奇行に出ました。
というのも、函館出身のご学友が「このお店安くて営業時間が長くてうまい!」と喜んでいたのを見たからですね。
函館出身なら間違いないだろう。
それはそれとして刺身は苦手なのですが。
でも、そんなに?
ここはあの卍港区卍なんだぞ?

本当に安いじゃないか。
このオフィス街のど真ん中で土日も空いている店というのは、
狂ったように毎日コードを書いているところの我々としてはめちゃめちゃ嬉しいものです。
コンビニまで閉まるので、土日は飢えがちです。
しかしここは土日祝も営業していつつ、ラストオーダー21時半。すごいな。
早速赴きます。

店構えを撮影し忘れて引用になりました。
あのね、日曜で周りはシャッター街状態なのに、ここだけ行列ができています。
冷静に考えたら、人間がなす列は一列でも行列なんですね。
待っていたら店員さんがメニューを持ってきてくれたので、とりあえず「梅」を注文して、座れるまで待ちます。


席に着くといきなりお刺身がお出しされますが、説明を読むにこれは最初に食べると後で後悔しそうなので、我慢します。
最後に海鮮丼を鯛茶漬けにする用の刺身らしいのです。
ガリをつまみつつ、海鮮丼の到着を待ちます。
職人さんってすごいな〜。

刺身を前に箸をくわえて待っていると、早速海鮮丼が出てきました!
梅(1250円)です。これで1250円!?
とりあえず、食べ方の紙に書いてあった通りに山を切り崩してみます。
道民とはいえ旭川でありド内陸、その上今まで食事に興味もなかったので、別に海産物詳しくないです。
このうねうねのやつなんですかね?(これは本当に海鮮丼を目の前にした人の感想なのか?)


切りくずすと、謎の山は生魚のすり身と角切りであったことがわかります。
海鮮丼って一般に、刺身と米だけで食感がめっとりしてると思うんですが、きゅうりが混じっているので楽しい食感になっています。
斬新ですね。
それはそれとして、黄身醤油にわさびを溶かしすぎました。
めちゃくちゃ辛いです。
わたしが刺身を苦手な理由の8割は食感なので、きゅうりが入ってわさびで風味づけしてあげると、素直に美味しく食べることができました。
しゃきしゃきです。

ほとんど食べきってしまいましたが心配ご無用で、米をお代わりしてお茶漬けにすることができます。
わたしは食い意地が張っているので、迷わずおかわり。
丼をカウンターの上において、店員さんにおかわりをコールします。

するとこんな風に、増えたお米に謎のおつゆと、謎の緑の塊の粉末・・・?などをかけられたお茶漬けの原型が返されます。

そこに、最初とっておいた鯛の刺身と、刺身にかかった謎のつゆを一緒に容赦なく投下!
容赦なく飲食!!!!
美味しい!!!!!!
このお茶漬け、最初は海鮮丼だったので、米にかかっていたわさび入りの黄身醤油が入っているわけです。
そこに、茶漬けのだし汁、謎の粉末、刺身のゴマだれ?をすべて加えて、なぜか味が成立しているのが不思議です。
むしろそれらの風味が積み重なり、味によい奥行きが出ています。
パフェって、上から切り崩して食べても下の方で味がバッティングすることってないですよね。
ああいう感じです。
音楽でいうと音圧です。
「耳で明確に識別できないのに仕事をしている音」というのが存在するんですよね。
我々北海道民の知る海鮮丼の、刺身がどーん!というような愚直さ、素朴さ、純朴さからくる尊さのようなものはないのですが、計算されつくした丼です。
おいしいのはおいしいのですが、「食事にはこういう要素があるんだ」という感想が先に来てしまいます。
すごくないですか?食のテーマパークや。

おいしかった。
海鮮丼の新形態でした。
なんかこう、「北海道料理」というのは、技術ではなく素材で殴るのが至高という発想が基本っぽいので、
こういう調理に関する強い計算と思想を見せられると、なるほどね、となります。
根底にある、調理行為に関する思想自体の違いをとても感じました。
おいしかったです。
ごちそうさまでした!